一昨日の土曜日(10月23日)に1週間の日程で開催されたワガドゥグ全アフリカ映画祭が閉幕しました。
イエネンガの金の愛馬賞(l'Etalon d'or de Yennenga),賞金2000万フランセーファー(約4百万円)、そして、ブルキナファソの伝統のとんがり帽子”サポネ”が、セネガル大統領とブルキナファソ大統領から授与された瞬間です。藍色の伝統衣装に身に包んだ男性がMacky Sall セネガル大統領、白い衣装の男性がKabore大統領です。
”La Femme Du Fossoyeur"(The Gravedigger's wife/墓掘り人の妻)。
ちょっとドキッとする題です。
そして、数ページを割いて、各賞の受賞者の名前、出身国、映画題名、賞金まで掲載されていました。閉会式翌週月曜日の新聞記事はFESPACO一色だったと言えるでしょう。
わたしたちは夫婦で、16時から閉会式と各賞発表と授与式があるというので、ブルキナファソの国営放送のチャンネルに合わせて待機していましたが、実際に始まったのは、17時近くになってからでした。
会場は、ワガ2000のタワーの近くに建つ大きな国立スポーツセンターでした。
閉会式は、オートボルタ(当時の国名)第5代大統領であり、在任期間わずか4年の中で多くの改革を実行したトーマス・サンカラの大きな写真が舞台いっぱいに掲げられて、かれへのオマージュのダンスで始まりました。
暗殺された彼の命日が今月の10月15日。ちょうど1年前にドキュメンタリー映画「人間トーマス・サンカラ」(リシャール・ティエネ監督)がブルキナファソで上映され、今回のFESPACOでも披露されたということです。今年で34年経った今も国民に尊敬され続けているトーマス・サンカラ(1949~1987。在任1983.8.3.~1987.10.15.)。かれが作詞した国歌「ある一夜」がラップ風に編曲されて歌われました。
第27回FESPACOのテーマ、「アフリカの映画、民族離散の、新しい才能の、新しい挑戦の映画」ということと関係があるのでしょうか。
スポットライトの中に、金の愛馬にまたがって雄々しく戦うイエネンガ姫グランプリトロフィーを掲げ持って、一歩一歩進むイエネンガ姫に扮した若い女性が浮かび上がりました。
毎年変わらない構成だということですが、きっとこんな衣装に身を包んで果敢に戦ったであろう、わたしの想像にピッタリマッチしたイエネンガ姫でした。髪飾りからシャツ、ズボンに至るまで、狩人の身を護るとされるタカラガイで飾られた衣装。
こんなにもブルキナファソの人々に愛され続け、ブルキナファソ建国の母と慕われるイエネンガ姫への、ブルキナファソ国民の尊敬の念を感じました。
そして、その後に各賞の発表がそれぞれのプレゼンテイターとともに始まったのでした。
ブルキナファソがFESPACOのイベントをいかに大切にしているか~資源の乏しい内陸国にありながら、トマス・サンカラが「ブルキナ・ファソ」=“高潔な人の国”という国名に改め(以前は”オート・ボルタ”、単なるボルタ川の上流、という位置を示すだけの名前だった)彼の精神が生き続ける国、そして、この国の文化をPRする好機会にしようとする姿勢を、わたしは初めて間近で見たFESPACO祭で感じました。
FESPACOの映画館でもらってきたパンフレットたちです。
どれも、きれいに印刷されて、上映場所、日時など分かりやすいスケジュール表になっていました。
ありがとう、FESPACO。ブラボー、FESPACO。
わたしは、FESPACOはすばらしいアフリカ版カンヌ映画祭だ!、と感動しました。
次回のFESPACO開催の時は、わたしたちはもう帰国していますが、このワガドゥグ全アフリカ映画祭が末永く盛況でありますように。
それから・・、協賛国の中に、日本の名が連なってほしいなとも思いました。