2022年2月9日水曜日

ワガドゥグのヤモリ

 フランス語でヤモリのことを”ジェッコ”~gecko~と言います。


このgeckoを、ワガドゥグの女性たちは特別に嫌っているように感じます。
特に夫の事務所の秘書の女性は、事務所にヤモリが出たら、もうきゃあきゃあ叫んで、男性たちがヤモリを退治するまで外に出て、決して室内に入ろうとしません。男性たちも、秘書の女性を守らんばかりに机や本箱を移動して、ヤモリを執拗に追いかけまわして息の根を止めるまで格闘するのです。
その女性の自宅を一度訪ねたことがありますが、かのじょの家には一匹たりともヤモリもゴ●●リもいない!、ときっぱり言いました。もし見つけたら、ご主人が退治してくれるのだそうです。とてもきれいなこじんまりした部屋でした。

かのじょに、どうしてそこまでヤモリが嫌いなのか、尋ねてみると・・。
肌が透き通っていて、顔が異様にでかくて、顔に不釣り合いなくらい目が大きくて、手の先っちょが丸くなっていて、ジェッコが這いまわった食べ物には毒があるのだ・・・ときりがないくらいいろいろと並べ立てていました。
わたしも虫は苦手だから、本物のヤモリの画像は出さずに、かのじょがキモチワルイ~といいながら描いたヤモリの絵のほうを載せましょう。




笑いますね~。
かのじょは大真面目にこのヤモリ似顔絵?!を描いていました。ヒェ~~~と言いながら。
確かに、ここのヤモリは日本のヤモリより肌が透けて見えるように(肌が薄い?)ように思います。
日本では、ヤモリは、「家守」とも書いて、家を守る=小さな害虫を食べてくれて家の中の虫を退治してくれる、と言われている。だから、わたしたち日本人は、ヤモリを決してやっつけないし、目の敵ににしないのだと説明したのだけど、きゃー信じられないー!、とまた悲鳴を上げていました。

それと、日本のヤモリは鳴きますか?
わたしは、ヤモリが鳴く、なんて、つい4,5か月前まで知りませんでした。

我が家では、ケッケッケッケッ、と音がすると、夫婦二人で、ああまた電圧が上下して電気が悲鳴を上げているのだな、と話していました。
ある夜、お客さんを囲んで食事会をしていたときのこと。
ケッケッケッケッと音がしました。
やあ、すみませんねえ、最近、特に電圧が不安定で電気が悲鳴を上げるんですよねえ、と夫。
え。今の鳴き声ってヤモリですよ。お客の言い分。
ええっ!ヤモリ?ヤモリが鳴くんですかぁ、とわたし。
そうですよぉ、ヤモリが鳴くって有名じゃないですかぁ。
…知りませんでした、夫もわたしも初耳でした。ヤモリが鳴く!

夫の秘書の女性は、ヤモリのそのケッケッケッケッという鳴き声も気持ち悪い、許せない、と真顔で言うのでした。

わたしのフランス語の先生(ブルキナファソの女性)にその話をすると、かのじょもヤモリが大っ嫌いだと言います。ちょろちょろ~っと視界に何かが動いただけでゾゾ~っとすると言います。やっぱり、鳴き声も不気味だと言っていました。
確かに、素早く動く何か、って怖いです。
わたしは、ゴ●●リが大大大っ嫌いだから、ものすごくその言い分には同感できます!
わたしは、ゴ●●リだんごと防虫シートをアフリカにもいつも持っていきました。日本食を削ってもこの2つはアフリカ生活の必需品だと思って持ってきていました。

キンシャサにいるとき、お寿司の食べられる日本料理レストランがオープンしたのですが、その名も”GEKKO”(フランス語ではgeckoだけど、gekkoとも書く?)。
店のお皿にもついているロゴマークが・・・。



キンシャサの日本料理店、”GEKKO”のマークにヤモリが!

発音がゲッコー、と言っていた(コンゴキンシャサはベルギー領だったから、フランス語もベルギー訛り?)ので、わたしは日本料理店の名前の言われは「月光」、月の光から来ていると勝手に解釈していました。また、ここの店主(レバノン人女性だったかな)は、日本では「家を守ってくれるヤモリ」だということを知っているから、ヤモリの図案を採用したのだとさえ思っていました。
しばらくして、ヤモリのことをゲッコーというのだよとコンゴ人に言われて、今度は、この店は日本語の「月光」と仏語のヤモリ「ゲッコー」を掛けて、日本料理店の名前にしたのだとまで勝手に思い込んでいたのです。ヤモリは家を守るんだもんねえ~と。
まったく良いネーミングだこと、と感心していたのです。

この、キンシャサにある日本料理店のマークを、ワガドゥグの夫の秘書の女性に見せると目を皿のようにして、驚き呆れていました。信じられないー!!!と!
今思い返すと、確かにキンシャサの人は、ヤモリを嫌ってはいなかったように記憶していますが。

ヤモリを苦手とするのはブルキナファソの女性だけでしょうか、それとも、たまたま、わたしの周りの知人女性たちがヤモリ大嫌い人間だったというだけのことでしょうか。

確かに、ワガドゥグのヤモリは肌が薄くて透け感があって、指の先が丸くて、ちょろちょろ動いて不気味ではあります。家の中によく出没するし。
サヘル地帯のヤモリと、熱帯雨林地帯のヤモリは異種なのかもしれません。(はて?)

それでも、わたしが小さいときから大人たちから聞いていた、「ヤモリは家を守る~害虫を食べてくれるのだから殺してはいけないよ」という言葉通り、ヤモリを退治しようとは思いません。
ゴのつく害虫だけは絶対に許せないけど。(と言うより、恐怖!!!)

ワガドゥグのヤモリはケッケッケッケッと不気味に鳴くけど、日本のヤモリは鳴きますか?

0 件のコメント:

コメントを投稿