ゴルフ場パイヨットのブーゲンビリアと1番ホール |
一番暑い時季を迎えたワガドゥグ。
その3月21日になったとたんの午前0時に、ブルキナファソ大統領は国境閉鎖を発表しました。
最初に頭に浮かんだことは、わたしがやっと入手した(というか夫がエアフランス事務所まで出向いて長時間並んでくれたというのが実情です。ネット予約は閉鎖されていました。)フライトチケットも水の泡か・・・、ということでした。
3月初めの一年ぶりの帰国休暇が延期となり、やっぱり私だけ帰国したほうがいいと判断して夫が取ってくれたチケットも無駄になり、二度の肩透かしでちょっとがっかり、でもこれが私の道だ!、とか思って夫とここに残ることもまた良し、と思ったのでした。
ところが、21日昼前だったか、運転手情報でワガドゥグ空港にエアフラ機が駐機しているというのです。
夫が情報をかき集めると最終特別機が21日の夕方に出発するのだというのです。
すぐに夫のフランス人の知り合いに電話したら、そのフライトのウェイティングリストに載せてもらえるようにしてあげると言ってくれました。彼自身、家族はすでにフランスに帰したとのことで事情をよく分かってくれました。
指定された16時めがけてトランク2個を引っ提げて空港まで行くと、なんとマスクだらけの長蛇の列!白人もアフリカンも半々くらいかな。家族連れが目に付きました。中国人らしい入れ墨を施した腕をにょきっと出した若者数名のグループが目を引きました。かれらは黒色系のローカルマスクをはめていました。
不安な私に付き添って夫もカウンターのあるところまで入ってくれました。(夫はなんと肝心の自分のマスクをはめるのを忘れていて、わたしの手持ち分を渡しました。わたしにはマスクしろーとうるさいくらいに言っていたのに。)
わたしたちの前にいた女性が、アルコール消毒液を手のひらにしゅっと置いてコネコネしているのをじぃーっと見るともなく見ていたら、これ必要?っと声をかけてくれました。
彼女はフランス人でパリ経由でツールまで帰るのだそうです。
金曜日(20日)のパリ便をネット予約して、当日空港に行ったら、なんとかのじょの予約は勝手にキャンセルされていて、変更料も入れて最初に買ったチケットの3倍の価格で21日分を再度入手したものだとちょっと憤慨していました。それでも、今日の便に乗れるという安堵感を彼女に感じました。
空港職員も皆マスク姿。薄いゴム手袋をした職員もいます。
空港の土産物を売る店も、そうそうに店仕舞いを始めています。
ゲート手前の入り口で体温チェックをされ、消毒液が自動的に落ちる機械の下に手をかざすように指示されました。
結構、厳しい空気が漂っていました。
でもこれだけの人たちが飛行機に乗るために集まっている・・・。
不思議な光景でした。
国境閉鎖で空港も閉鎖されたという情報はいったいなんだったのでしょう。
21日午後4時の時点で、ワガドゥグ空港ではエアフランスとエチオピアエアのカウンターで搭乗手続きをしていました。
夫がゲート手前のカウンターの職員に事情を説明すると、ウェイティングリスト16番目に名前が入っていました。
搭乗待ちの人はここでしばらく待つようにと指示を受けてから2時間ほど待ったかな。やおらエアフラ女性職員が来て、丁重に、もしあなたが今日のフライトに乗れたとしても、乗り継ぎのパリ~東京の2便(成田、羽田)とも満席でパリで30時間の待ち時間になると言い、さらには、明日22日にもともとあなたが予約していた便に乗ると乗り継ぎもスムーズにいって問題ありません、と説明されました。
えええー!21日のこの便が最終ではないのー???
いいえ、お客様(と言ったような雰囲気で丁重に)、明日の22日の便も運航されます、ただし、出発時刻が2時間早くなりますので、こちらには明日22日の14時ですよ、午後4時ではありませんよ、午後2時ですからね。そう午後2時に再度、空港カウンターに来てください。
…耳を疑いました。
また明日お待ちしていますよ、というエアフラ職員の満面の笑顔につけ加える質問も声に出せず、すごすごとキツネにつままれた気分で帰宅したのでした。重いトランク2個半を引っ提げて。
明日運航されるのならラッキーと思おうよ、もともと空港閉鎖だと思っていたのだから、という夫の言葉で胸がスーッと落ち着いてきました。
そうだった、国境閉鎖から2週間だか3週間の間、ここで夫婦仲良く(は?)暮らすのも悪くはない。キンシャサでも1週間の自宅軟禁を2,3度、経験しているし。あの時は結構楽しかったしな。(過ぎてみると、ですが。)
今朝起きてみると、エアフランスから「お客様のフライトに関する情報」というメイルが送信されていて、文面には、3月22日のあなたの搭乗便のスケジュール変更をご連絡申し上げます・・・と始まっていました。快適なフライトを、だって。
ワガドゥグ発パリ経由で成田までのスケジュールがしっかり記載されていました。
それでもまだ半信半疑。
「国境閉鎖」、「空港閉鎖」の情報を鵜呑みにしてはいけないということ???
真実ってなんなんだろう。
自分で聴いて観て行動を起こして確かめて。そして初めて合点するべし。
今回のことで学習しました。
くたくたよれよれになった昨夜も、例の緑色のたらいで行水してぐっすり眠れました。
夫もこの4,5日間、わたしの航空チケット入手やら情報に踊らされて疲れ切っているはず。それでもいつもの日曜日のごとく今朝早く、ゴルフに出かけて行きました。わたしは、プレイしたい気持ちはやまやまだけど、これからの長旅に備えて(ってまだ確定したわけではないけど)、涙を呑んで止めました。ただ、キャディーにはいつもの金額を渡しておいてねと夫に頼んで。
ともあれ、今日の便に乗れて儲けもの、という気持ちで再チャレンジしてみます。
ワガドゥグに残す夫のことが心配ですが。
そして、外国人が出国して、不必要な外出は避けることと19時から翌朝5時までの外出禁止のお触れが出たこの町で、庶民の経済、生活は確実に厳しくなります。
農産地域のボボデュラッソとワガドゥグの道路も閉鎖されると聞きました。
この国の人たちのことも心配です。