2021年12月7日火曜日

アフリカンヘアスタイルに挑戦

 先月11月のある日、事務所の秘書の女性が長いエクステでロングヘアにしておしゃれをしてきました。赤毛のエクステがかのじょにとてもよく似合っていました。
いいなあ~、っと言ったら、一度アフリカンヘアにしてみる?、かのじょから提案してくれたのです。
かのじょは、今回は美容院に行って編み込んでもらったけど、かのじょ自身が仕事が終わった後に髪を結いあげてくれると言います。

まずは黒髪のメッシュ(エクステ)2パックがいるわね、ということでかのじょに買ってきてもらいました。
臨んだのは、"fixe de meche"(フィクセ・ド・メッシュ)というスタイルです。





これは韓国プロデュースのトーゴで生産されたメッシュ(フランス語ではエクステとは言わずにmecheというのだそうだ。)で、100%カネカロン・ファイバーとあるけど。カネカロンってはて?
1袋は1400フラン(約280円)。

事務所秘書のお姉さんは、髪がさらさらしてるからやりにくいわあと言いながら喜々として結ってくれました。小さいときから、何かのお祭りだとか儀式のときは家族の女性総出で髪の結い合いっこをして楽しんだそうです。だから、かのじょも編み込みはお手のものなんだな。

わたしは、このメッシュを1袋と2/3袋を使いました。
わたしの髪がアフリカの女性の髪質と違いすぎてやりにくかったのでしょう。途中から、とてもフレンドリーな第2の運転手に手伝ってもらってもかまわない?と聞かれました。男性だからわたしが気にするかと思ったのでしょう、かれの穏やかできめ細かい心配りをする気性をよく知っているわたしは即答でOKしました。

そうやって和気あいあいと5時間もかけて出来上がりました。




出来上がってみての感想は、まず、重い!!!、ということ。
そして、ギューッと頭皮が引っ張られて編み込まれているので頭が締め付けられているようだ、ということでした。
完成した姿を見た夫のひとことは、「顔のしわがないっ!!!」でした。
確かにぐいぐい引っ張られているから,しわもたるみもなくなっている!
メッシュの1と2/3袋分が頭に載っているのだから重い、重い。
引っ張られ感と重量感で頭痛まで起こってきました。
かのじょ曰く、「これで1週間~10日は持つからね。その間は,洗髪はできないからね。」
さらに頭痛がひどくなっていくようでした。
初日は、寝返りも打てず、眠られず。
2日目も眠られず、引っ張られ感でストレスがたまりまくりです!
3日目、這う這うの体で起き上がって、やっぱりもったいないけど、かのじょの苦労には報いてあげられなかったけどダメだ―!、無理だー!、やっぱり自由に身になりたいー!解放されたいー!、という気持ちが渦巻いて、最後のお別れの記念撮影をしたのでした。




アフリカの女性のおしゃれをする苦労、昔の日本人女性が日本髪を保って暮らしていた時代の苦労を痛感しました。
美しさを保つって大変な忍耐の上に成立しているんだなあ~!!!

朝、事務所を訪ねて、もうダメ―!わたしの我慢の限界が来たー!髪を開放してよー!、と懇願。秘書のお姉さんの手すきの時間を待って、髪を解いてもらいました。

髪を解きながら、一本ずつ、辺りの頭皮の突っ張りが解放されて肩の凝りがほぐれていくのさえ感じたのでした。





ああー解放されていく―!、というわたしの解放感に、秘書のおねえさんはくすくす笑っていました。わたしたちは、小さいころからぎゅっと頭皮を引っ張られて結うことに慣れているからね、あなたは初めての体験だからちょっと大変だったわね、といたわりの言葉を投げてくれました。
わたしのアフリカンヘアスタイルの保持限度は、3日間で終了しました。
全ての髪が釈放された時の解放感ったらなかったです!
ああー。やっぱり自然に生きるのがいちばんの幸せだ―!、と痛感しました。

今回わたしが経験した、メッシュを使った、フィクセ・ド・メッシュ(fixe de meche)。
子どもたちがよく結ってもらう、メッシュなしの(色とりどりのプラスティックビーズやタカラガイを髪先に付けたりもしている)、ナット・パナム・モレ(nattes panam-more/モレ語)。
そして、ペリュク(perruque/フランス語でかつら)。
この3つが今のアフリカ女性たちのヘアスタイルなのだと秘書のお姉さんは教えてくれました。

ナット・パナム・モレは、昔昔からある結い方だそうです。
きっと、イエネンガ姫が戦闘に出るときにはこの髪型で戦ったんだろうねとわたしが言うと、ウィ、もちろん!、とお姉さんもうなずきました。
中央アフリカのバンギにいるとき、わたしの子どもたちが通学するフレンチスクールのアフリカ出身の子どもたちはよくこのナット・パナム・モレの髪型をしていましたが、日本の公衆衛生学のドクターが感心するように、この髪型をしている子にはシラミが発生しないと言っていたのを思い出します。洗髪頻度がそんなにないのになぜ?と思ったものでしたが、きっと頭皮の地肌が空気に触れて蒸れないからだろう、とのことでした。

そして、もう一つ思い出すこと。
わたしたちのバンギ時代は、もう30年も前のことですが、あの頃のアフリカ女性は、かつらもメッシュもつけていませんでした。かれらの髪のボリュームを出しておしゃれする方法として、ブラウスや巻きスカートと共布のアフリカンプリントの2ヤード(1m80cm)を使って無造作に頭に巻くことだけでした。
それがまた、とてもかっこよかった!

キンシャサ時代になると、女性たちはプリント布地の巻きスカーフで頭のおしゃれをすることをやめて、かつら装着の女性だらけになっていました。韓国のかつら工場がキンシャサ内に2つ稼働していて、かつらを入手しやすくなったことも挙げられるのでしょうが、わたしには好ましく映りませんでした。ナチュラルがいちばんなのになあ、と見ていたものです。

ということで、貴重なアフリカンヘアスタイル体験でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿