この写真は今朝8時過ぎの事務所2階からの眺めです。
乾季に入って2か月。そろそろ町の空気も乾燥して埃っぽくなってきているなと感じますが、朝の空気はまだどうにか澄んでいます。
12月に入って、朝晩の気温が下がってきました。北半球に位置するワガドゥグはこれから、現地の人たちの言う「ワガドゥグの冬」を迎えます。
今朝も夫と一緒に事務所に向かう車の窓から、並行して走るたくさんのバイクに乗る人々の様子を眺めていましたが、ああまたマスクの季節が始まったなあ、と思うのでした。
10人のうち3,4人がマスクをはめているのです。
かれらは、決してコロナ対策のためにマスクをはめているのではありません。
「わたしたちは寒さ対策と埃対策のためにマスクをはめるのだ。」と、ブルキナファソの知人たちは必ずそんな応えを返したものです。
ただ、2年前には彼らのマスクは厚地の布製の黒色を基調としたものでしたが、今朝見たかれらのマスクの中には使い捨てマスクを付けている人も発見しました。
今では、使い捨てマスクをここの薬局でも道端でも売っているのです。
コロナ禍の世界になって、2年近く。
いまだに、ブルキナファソの人たちはコロナの存在を否定する言動をとっていますが(市場では全くマスクの存在のかけらもない)、バイクに乗る人たちのマスク着用を見ていると、(コロナ対策ではなくとも)使い捨てマスクが徐々に彼らの暮らしにも入り込んでいるのだなあと感じるのでした。
さて、そんな中、11月下旬はブルキナファソじゅうのインターネットが切断されて、この国は世界の陸の孤島となってしまったのでした。
というのも。
政府の野党議員が11月27日(土)に政府に対しての抗議デモを国民に呼びかけたことから、政府は突然、何の予告もなく国のインターネットを遮断したのでした。
11月20日(土)から11月28日(日)のことです。
わたしの知る限りでは、北部の国軍の施設がテロに襲われて多数の兵士死者を出したこと、そして、国境北側の国のフランス軍の動きに疑念を抱くブルキナファソ北部の住民との衝突などが抗議デモの背景にあると思われます。テロの脅威から国内には多くの避難民も出てきています。
ネットが突然遮断されて繋がらなくなったとき、わたしたち外国人は友人や家族と連絡が取れない不自由さにストレスがたまりましたが、この国の人たちは、ネットが使えなくなったという事実を普通に受け入れていたように思います。
政府野党から庶民への抗議デモの呼びかけに対し、この国で大統領よりも尊敬されていると言われるワガドゥグの王様(モゴ・ナーバ)がデモの呼びかけに参加しないで家に留まるようにという声明を出したとブルキナファソの知人から聞きました。その知人は、だからデモ予定日の27日は誰も参加しないだろうと言っていました。
それがどこまで真実かはわかりませんが、結局、デモは不発に終わったようです。
11月28日(日)夜8時にインターネット切断は解除されるだろうとテレビニュースで流れたようです。(11月20日(土)に突然ネットが切断された後、11月24日(水)夜にネット切断は4日間、延長されるというニュースも流れたと聞きます。)
そして、ニュースの情報通りに、11月28日夜にネットが繋がりました。
その後も自宅のネット接続が安定しなかったりということもあって、わたしはブログを更新する気力を失ったままでした。
最後の更新から半月が過ぎて、わたしの周りで日々起こるたくさんの興味深いことが山積しています。
少しずつ、綴っていこうと思っています。
しかし、ブルキナファソはおもしろいなあ!
デモを呼びかけるも不発に終わったブルキナファソ。
長い歴史を持つモゴ・ナーバのいる国、数年だけの大統領だったにもかかわらず今も尊敬され続けるサンカラさんの精神が生き続けている国、「高潔な人々の国」という意味の国名を持った国、ブルキナファソ。
かれらのそばにいて経験することを小さなことでも書き残しておきたいと思うのでした。
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